桜ヶ丘6号銅戈
さくらがおか6ごうどうか
概要
桜ヶ丘6号銅戈
さくらがおか6ごうどうか
弥生時代中期/紀元前200年頃〜紀元後100年頃
青銅
全長28.3㎝
1口
来歴:
参考文献:
・石野博信・檀上重光・喜谷美宣・井上洋一・北井利幸・橋詰清孝・関野豊(編)「国宝桜ヶ丘銅鐸・銅戈発見50周年記念事業の概要」(『神戸市立博物館研究紀要』第33号) 2017
・石野博信・檀上重光・喜谷美宣・井上洋一・北井利幸・橋詰清孝・関野豊(編)「国宝桜ヶ丘銅鐸・銅戈発見50周年記念事業の概要」(『神戸市立博物館研究紀要』第32号) 2016
・橋詰清孝「国宝 桜ヶ丘銅鐸・銅戈の保存・保護を目的とした総合診断調査について-最先端の精密計測技術を活用した九州国立博物館との共同研究の取り組み」(『神戸市立博物館研究紀要』第30号) 2014
・神戸市立博物館特別展『コレクションの精華』図録 2008
国宝
14個の銅鐸とともに出土した銅戈である。本資料の特徴は、樋(身にある二本の溝)に平行斜線のある三角形の文様が鋸の歯の様に並ぶ二つの文様帯を、向かい合わせに組合せた複雑な文様(複合鋸歯文【ふくごうきょしもん】)を鋳出している。また、2号と4号銅戈の茎(内)には矢印のような模様が鋳出されている。この種の銅戈は、大阪湾沿岸地域を中心に近畿地方以東に分布することから、大阪湾型銅戈と呼ばれている。
大阪湾型銅戈は、その形態や本資料の様に茎(内)に模様を持つものがあるなど、九州型の中細形銅戈の特徴に似ているが、樋に施された文様に違いがあり、九州型は綾杉文【あやすぎもん】を鋳出している。九州の青銅器武器形祭器のうち、戈形や剣形の祭器は畿内地方にまで分布しており、弥生時代の近畿地方と九州地方の社会的関係を知ることのできる貴重な資料である。
【古代の神戸】