山水図(模本)
さんすいず もほん
概要
室町時代には、中国では本来違った作者やジャンルの作品を、日本の座敷にあわせて三幅対にして飾ることがよくおこなわれた。「御物御画目録(ごもつおんえもくろく)」には、梁楷「出山釈迦」の脇に「山水」を、「布袋 張思恭」の脇に「馬麟 瀧」「人形 馬遠」を組み合わせたとの記述がある。ここでは当館に所蔵される模本のうち、張思恭の釈迦と馬遠の山水を組み合わせ、架空の三幅対をつくってみたが、こうして中国で描かれた絵画も日本の鑑賞体系のなかに入り、新たな文化の一部分となっていったのである。