伊能小図西日本
いのうしょうず にしにほん
概要
寛政12年(1800)からはじめられた伊能忠敬(1745~1818)の測量は、文化13年(1816)まで、足かけ17年に及びました。その成果は大図214枚、中図8枚、小図3枚からなる「大日本沿海輿地全図」として文政4年(1821)7月に結実しました。わが国の地図作成史における初の実測日本図です。しかし、この時幕府に上呈された図は明治6年(1873)の皇居火災によって焼失し、後に東京帝国大学に提出された伊能家の副本も大正12年(1923)の関東大震災で焼失したといわれています。現存する「伊能図」は、大名家の手元に遺されたものや模写図などです。本図は、彩色描写などの点においてその特徴を良く伝えており、現存する伊能小図のなかでも優品として知られています。
【古地図】