耳鏡引札
じきょうひきふだ
概要
かつて平賀源内がエレキテルで名をあげたように、司馬江漢も自ら工夫した新奇な道具で世の注目を集めることに熱を上げました。銅版眼鏡絵用覗き眼鏡、阿蘭陀臼(コーヒー挽き)、ヲルレレイ(太陽系模型)など、枚挙にいとまがありません。江漢は蘭書「ボイス」中の図版を参考にし、耳にあてるラッパ形の補聴器を作って販売しました。通称「耳鏡引札」は、そのためのチラシ兼効能書きです。この中で江漢は、大声で話す時は音しか聞えず、わけがわからなくなる、小声で話せ、耳のよく聞こえる者がこれを使って聴くと、遠方の音まで聞こえてしまいかえって悪い、などと書いています。
【江戸の絵画】【江戸時代の洋学】