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屈輪堆朱合子

ぐりついしゅごうす

概要

屈輪堆朱合子

ぐりついしゅごうす

漆工 / / 中国

制作地:中国, 出土地:中国

元時代・14世紀

木製漆塗

高4.6 径10.0

1合

 漆の樹液を用いる工芸を漆工といいます。漆工はアジア各地で製作されましたが、製作地によって技法やデザインに特徴が認められます。中国の漆工の代表的な技法は彫漆(ちょうしつ)です。彫漆は漆を何層にも塗り重ねて厚みを作り、その漆の層を彫刻して文様を表わす技法であり、宋時代以後に盛んになりました。
 この作品は、元時代に作られた彫漆の入れ物です。合子(ごうす)とは蓋のある入れ物のことです。赤い漆の層を何層にも塗り重ねて、デザイン化された曲線文様を彫り表わしています。赤い漆の層をよく見ると、ところどころに黒い漆の層がはさまっているのが見えます。一説によると、これは漆を彫る時に全体の深さをそろえるための目印であると言われています。このような曲線文様を、日本では「屈輪文様」(ぐりもんよう)とよんでいます。日本語で渦巻きの動きを表わす「グリグリ」という擬音が文様の名前になったものです。元時代の彫漆は、堂々とした彫り方で文様を表わすのが特徴です。この作品は小さなものですが、それでもしっかりと深く彫って躍動感のある曲線文様が表わされており、元時代の漆工の風格が漂っています。

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キーワード

/ 彫る / / 重ねる

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