花鳥図
カチョウズ
概要
小島亮仙は越前の守護・朝倉家に仕えた曾我派の絵師。『本朝画史』に天文八年(一五三九)の年記をもつ亮仙画が記録されることから、ちょうどその頃に活躍した曾我紹仙の門人筋であった可能性が高い。遺作としては、これまで山水図と人物図の計三点の掛幅画が知られてきたに過ぎず、しかも花鳥図の作例は皆無という有様であった。その点、本図はそんな亮仙画の「欠」を埋める貴重な作品といえよう。可憐な花を咲かせる梨の花弁や小禽はなかなか丁寧に描写されており、葉や花には透明感のある美しい彩色も施されている。