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八重鋺

やえまり

概要

八重鋺

やえまり

奈良

奈良時代・8世紀

響銅製 鋳造

各高5.9~8.0 各口径14.1~19.5

1具

重要文化財

口径約14センチから約19センチまで、少しずつサイズの違う金属の碗が8つ、入れ子状になったセットです。奈良の法隆寺に伝わったもので、仏へのお供えものを入れる器とも、僧侶が飲食などに使った器ともいわれています。
材質は、響銅(さはり)という、銅が約80パーセント、錫(すず)が約20パーセントの合金で、形を作ったあと、一度加熱して、細工をしやすくしたものです。最後にろくろを使って成型しているので、たいへん薄く、手にとってみると思ったよりずっと軽いのに驚きます。
響銅独特の美しい色と、シンプルでバランスのよい形が見どころといえるでしょう。
実は、器の薄さが違うものもあること、口の形、大きさがぴったり合わないものもあることから、この8つの碗がもともと1つのセットではなかった可能性もあります。奈良の正倉院宝物には10個で1セットになった碗も伝わっているので、元はもっと数が多かったのかもしれません。

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