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大鉢

おおばち

概要

大鉢

おおばち

花柳章太郎

絵付:花柳章太郎

高6.9/径37.5(㎝)

千代田区隼町4-1 国立劇場

登録番号:74041-5

独立行政法人日本芸術文化振興会

白地の大鉢に梅が描かれている。梅は画題として用いられることが多いが、章太郎も好んでよく描いた。晩年、長年住み慣れた柳橋から代々木のワシントンハイツ (在日米軍施設)の傍に移り住んだ章太郎だが、庭に植えられた枝垂れの紅梅を気に入っての転居だったという。
また梅は新派にとっても重要なモチーフである。新派の財産ともいえる「婦系図」(泉鏡花原作)の「湯島の境内」の場面には梅の花が登場する。
ドイツ文学者の大学教授酒井俊蔵の弟子の早瀬主税は、柳橋で人気の芸者だったお蔦と密かに所帯を持っているが、酒井が主税の将来を思い、ふたりを別れさせようと主税に詰めよる。主税は湯島天神の境内でお蔦に別れをもちかけるが、お蔦は「切れるの、別れるのってそんなことはね、芸者の時にいうことよ。今の私には、死ねといって下さい。」ときっぱりと返す。江戸時代より梅の名所として知られた湯島天神を背景に、ふたりの切ない別れが描かれる。戦前には「婦系図」を題材にした「湯島の白梅」という歌謡曲も流行した。
花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成10年(1998)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。

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キーワード

章太郎 / 花柳 / 劇場 / 新派

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