妙法蓮華経法師品第十
ミョウホウレンゲキョウホウシボンダイ10
概要
通常、写経は一行十七字詰、界幅一・八㎝前後で書写されるが、本写経は一行十二字前後、界幅二・七㎝前後の大字で、鳩摩羅什が翻訳した『法華経』法師品第十を書写する。奥書はないが、大ぶりで量感のある雄渾な書風より、奈良時代八世紀の写経生の手になるものと考えられる。僚巻として和泉市久保惣記念美術館所蔵の薬草喩品第五や、播州清水寺所蔵の巻第五(提婆達多品第十二、勧持品第十三、安楽行品第十四、従地涌出品第十五)などが知られ、共に重要文化財に指定されている。