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細字法華経

さいじほけきょう

概要

細字法華経

さいじほけきょう

唐時代・長寿3年(694)

紙本墨書

1巻

国宝

聖徳太子の前世は慧思禅師(えしぜんじ)という高僧で、中国・湖南省の衡山(こうざん)という山にいたという伝説があります。この経典は慧思禅師とともに修行していた仲間の物で、607年に遣隋使として中国に渡った小野妹子が日本に持ち帰ったと伝えられてきました。
実際には唐時代の作品で、伝えられた時代とは異なりますが、奈良時代から法隆寺の重要な宝物のひとつとして守り伝えられてきたものです。
この作品は法華経全巻を1巻の巻物に書き写したもので、そのため1行に32文字がとても小さく記されています。麻の繊維をすいた紙を39枚継いだ巻物で、その長さは約19メートルに及びます。
経典の末尾には694年に中国・長安、現在の西安の住人であった李元恵(りげんけい)という人物が書き写したと記されており、制作年代と書き写した人物が判明する点でも貴重な作品です。
もとは香木を縦2つに割って、中をくり抜いた箱に納められていました。この箱については8世紀に作られた法隆寺の財産目録に記されていることから、天平9年(737)に光明皇后(こうみょうこうごう)が納めたものであることがわかっています。光明皇后は聖徳太子を信仰したことが知られており、太子信仰の初期の遺品としても重要な作品です。

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キーワード

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