武陵桃源・蓬莱仙境図
ブリョウトウゲン・ホウライセンキョウズ
概要
晋の太元年中、武陵の漁夫が山の中に発見した秘境桃源、蓬莱は東方の海中にあると信じられた神仙の住む島で、図上にそれぞれ陶淵明の桃花源記と雲笈七籤の記事を書いている。鉄斎は大正13年に89歳で没するまで、様々な先人の画を学び、また「万巻の書を読み、万里の道を行く」ことを理想としたように、幅広く、多彩な出典をもつ多くの作品を残している。画面一杯につみ重ねるような墨筆と鮮やかな色彩を縦横に駆使した、69歳の作で、近代文人画の頂点を飾る大作である。