江邨漁隠図巻
コウソンギョインズカン
概要
清時代後期の画家・黄均(こうきん)の筆になる山水の画巻で、江南の穏やかな秋の情景を描く。北宋初期の范寛(はんかん)を真似て、山峰に密集した樹叢をあらわす点苔(てんたい)を多く用いる。黄均は字(あざな)を穀原(こくげん)といい、香疇(こうちゅう)、墨華居士(ぼっかこじ)と号した。元和(げんわ)(蘇州)の人。巻頭には道光(どうこう)、咸豊(かんぽう)、同治帝(どうちてい)を教え「三代帝師」と称された祁寯藻(きしゅんそう)(一七九三~一八六六)の題がつく。