三角縁神獣鏡
さんかくぶちしんじゅうきょう
概要
内区主文帯に6乳を置き、3神と3獣とを交互に配置して隙間を細線で充填する。副文帯には10乳を置き、その間に蛙や双魚、獣を置く。いずれの文様も表現がやや崩れ、粗雑な作りで、鋳上がりも悪く不鮮明な部分が認められる。三角縁神獣鏡は、中国の神仙思想に基づく文様をモチーフとした古墳時代前期の鏡であり、文様が精緻で銅質も良いものは舶載鏡、文様の形骸化が進み銅質も悪いものは日本列島で作られた仿製鏡とされている。本品の出土地は不明だが、古墳時代前期後半に日本で製造されたと考えられる。