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徳島県若杉山辰砂採掘遺跡出土石器

とくしまけんしんしゃさいくついせきしゅつどせっき

概要

徳島県若杉山辰砂採掘遺跡出土石器

とくしまけんしんしゃさいくついせきしゅつどせっき

石器・石製品類 / 弥生 / 古墳 / 中国・四国 / 徳島県

徳島県

弥生後期~古墳前期

一括

徳島県徳島市八万町向寺山・
徳島県板野郡板野町大字犬伏字平山86-2

重文指定年月日:20230627
国宝指定年月日:
登録年月日:

徳島県

国宝・重要文化財(美術品)

 若杉山辰砂採掘遺跡は、水銀朱の原料となる辰砂の採掘遺跡であり、弥生時代後期初頭から古墳時代前期初頭に機能した。本一括は、辰砂原石の採掘および精製に使用された石杵、石臼124点で構成され、附として土器残欠や、辰砂鉱石などが加わる。
 敲打痕や擦痕が顕著に観察される石杵は大きさや形状も様々で、石臼には径10cm前後、深さ2cmほどの窪みが多数認められる。すなわち、辰砂鉱石の採掘のみならず、現地にて岩塊を粉末化するまでの敲き、潰し、磨りといった精製作業を行っていたことを示す。また石杵の多くは地元で採集される砂岩礫であるが、香川県東部産の玢岩礫が一定数あり、採掘に適した石材の選択、および約40km離れた地からの運搬行為を示すものとして注目される。
 これらの石器は、辰砂の採掘と精製過程を具体的に復元しうるものであり、弥生時代から古墳時代初頭における水銀朱の生産の実態を示し、学術的価値が高い。

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