歌舞伎図屏風(左隻)
かぶきずびょうぶ させき
概要
6枚のパネルがつながった屏風が、2つでセットになった6曲1双の作品です。江戸時代前期の浮世絵師、菱川師宣が歌舞伎の劇場を描いたもので、今回は、1双のうち左の屏風のみを展示しています。
屏風の右側には、劇場の楽屋が描かれています。顔を洗う人、髪を結う人、衣装を身につける人、お茶を点てる人など、舞台の裏側ならではの場面ばかり。さらに左側に目をうつすと、そこは芝居小屋とつながってある芝居茶屋(しばいじゃや)の内部です。楽器の演奏にのって舞を舞う人物、その舞を見ながらお酒を飲む人、桜を眺める人などがあらわされています。ここは、役者が客をもてなす、特別なサロンのようなところのようです。一般の観客が誰でも見ることができる舞台とはちょっと違う空間のようですね。人物ひとりひとりが生き生きと描かれていて、活気あふれる作品です。
ふつうの屏風よりも20センチほど大きい、高さ170センチの屏風です。サイズから言っても、特別注文で作られた品でしょうか。