重層貼眼文玉
じゅうそうちょうがんもんだま
概要
紀元前に東地中海沿岸で製作された重層玉、アイビーズの系統のガラス玉で、サーサーン朝にも類似品が認められるが、それらと比較して装飾や形状が崩れた様相であることから、本作の製作時期はそれらよりやや時期の下るイスラーム文化の中で生まれた作品であろう。長い年月の中で化学変化によってくすんだ色合いに変化しているものの、部分的に本来の透明感がある緑色の部分も認められる。本作のような深い緑色のガラス玉には黄色ガラスが象嵌されることが多い。本来他のいくつかのガラス玉と組み合わせてネックレスなどに使用されたものであろう。