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SPレコード「夕日/電車ごっこ」

SPれこーど「ゆうひ/でんしゃごっこ」

概要

SPレコード「夕日/電車ごっこ」

SPれこーど「ゆうひ/でんしゃごっこ」

民俗 / 昭和以降

日本ビクター株式会社(現・株式会社JVCケンウッド)製作

昭和27年7月/1952年

径25.0cm

1枚

富山県高岡市古城1-5

資料番号 2-08-02-90

高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

童謡の「夕日」と「電車ごっこ」のSPレコードである。
 表裏のレーベルには、本を開いて見る少年・少女が描かれ、「VICTOR」、「學校ダンス/レコード」、型番が「B-279(P-2991)」と共通して記されており、日本ビクター株式会社の横浜工場の製造で、本資料は昭和27年(1952)7月のものとされる(註)。
「夕日」のレコードは、作詞が葛原しげる、作曲が室崎琴月、編曲が保田正、歌が吉井章子と松本朋子、伴奏がビクター・オーケストラ、監修が戸倉ハルとなっている。童謡詩人葛原しげるの詩に高岡市木舟町出身の室崎琴月が作曲して、大正10年(1921)に完成した。
「電車ごっこ」のレコードは、文部省が編纂した文部省唱歌であり、編曲が保田正、歌が松本朋子と吉井章子、伴奏がビクター・オーケストラ、監修が戸倉ハルとなっている。文部省図書監修官の井上赳が作詞、東京音楽学校教授の信時潔が作曲して、昭和7年に完成した。


(註)HP「国立国会図書館 歴史的音源」http://rekion.dl.ndl.go.jp/(2015年11月19日アクセス)

【葛原しげる】 明治19年(1886)生~昭和41年(1961)没
 広島県安那郡八尋村(現・福山市)出身。盲目の琴奏者葛原勾当の孫。
東京高等師範学校在学時より童謡作詞を始め、明治44年(1911)「大塚講話会」を創設し、童話実演活動を行なった。大正3年(1914)日本女子音楽学校講師となり、東京女子音楽学校・九段精華高等女学校・跡見女学校・中央音楽学校での教師を歴任し、昭和21年(1946)至誠高等女学校長となった。
教育者であった傍ら童謡詩人として4000篇を作詞したとされ、「夕日」・「とんび」・「白兎」などの代表作がり、母校の福山誠之館中学校をはじめ全国の校歌なども手掛けた。享年75。昭和45年に神辺町名誉町民、平成18年(2006)福山市名誉市民。
HP「福山誠之館同窓会」http://wp1.fuchu.jp/~sei-dou/index.htm(2015年11月20日アクセス)

【室崎琴月】 明治24年(1891)生~昭和52年(1977)没
 高岡市木舟町の太物(綿糸)商の次男。本名は清太郎。
 川原地子小学校・旧制高岡中学校・東京音楽学校を卒業し、大正6年(1917)東京谷中に私立音楽学校の草分けである中央音楽学校を設立した。大正中期より山田耕作・中村晋平などの作曲家や野口雨情・北原白秋などの詩人と共に童謡制作を行なった。
「夕日」は葛原しげるの詩に感銘を受けて、大正10年に発表した。昭和22年(1947)の中央音楽学校30周年記念に、高岡幼稚園・川原小学校・高島屋楽器店などに分教場を設けて、市民合唱団や高岡児童合唱団を組織し、高岡市桜町(現・本丸町)には中央音楽学校独立分校を開校した。同21年には「高岡市民の歌」を作曲した。同30年に高岡市民功労賞、同41年に富山県文化功労賞、同47年に勲四等瑞宝章を受章した。享年86。
『企画展 ふるさとの偉人』(高岡市立博物館,1999)

【保田正】 大正4年(1915)生~平成17年(2005)没
鳥取県東伯郡関金町(現・倉吉市)安歩に生まれる。稲葉小学校・角盤高等小学校・鳥取県師範学校(現・鳥取大学)を経て、昭和12年(1937)武蔵野音楽学校(現・武蔵野音楽大学)を卒業。
同19年に歌劇「矢の根」を作曲、同26年にトルストイ作歌劇「復活」を作曲した。子供オペレッタや放送劇などの作曲をし、同25年から「さくら子供会」を主宰した。同26年に日本ビクター株式会社の専属作曲家となり、多くの童謡レコードを制作した。同22年から武蔵野音楽大学講師を勤める一方、日本童謡の会副会長にも就任した。享年89。
HP「鳥取県」http://www.pref.tottori.lg.jp/(2015年11月20日アクセス)

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