甲骨
こうこつ
概要
甲骨は、占いにもちいた牛や羊の骨、あるいは亀の甲羅のことです。今から3000年ほど昔、殷(いん)王朝の最期の都「殷墟(いんきょ)」の周辺で大量にみつかっています。
占いの方法はとても簡単です。甲骨にあらかじめ小さなくぼみを作り、これに熱した棒を押し当てます。その時に生じたヒビから吉凶を占うのです。占ったのは、戦争の勝敗、天候の良し悪し、収穫の具合など、いずれも国家の重要事項です。このことから、甲骨の占いは個人の興味でおこなうのではなく、国家の意志を決定するような、きわめて公的な位置づけであったことがわかります。
甲骨の表面には、占いの結果が文字で刻まれています。これは、いま使われている漢字の最も古いすがたとも言われています。