押隈 五代目市川三升
おしぐま ごだいめいちかわさんしょう
概要
押隈 五代目市川三升
おしぐま ごだいめいちかわさんしょう
本紙633×371、額1030×516(mm)
千代田区隼町4-1 国立劇場
登録番号12095-49
鈴木十郎コレクション
調査監修:石橋健一郎
解説:安冨順
独立行政法人日本芸術文化振興会
隈:象引の隈(仮称)。役者:五代目市川三升(十代目市川團十郎)。役名:三升が歌舞伎十八番の内『象引』を山崎紫紅の補綴本で復活上演したのは昭和8年(1933)10月、東京歌舞伎座。そのおりの役名は「山上源内左衛門長直」。『象引』は演目名と演技・演出様式双方の意味を持つ。荒事役者が演じるスーパーヒーローと悪の権化が象を引っ張り合うという、単純素朴な内容。荒事には「引合い事」という善悪が何かを引き合う力技を見せる演技がある。『象引』はその一つである。元禄14年(1701)1月、江戸・中村座、『傾城王昭君』で初代團十郎と初代山中平九郎とが『象引』を演じたといわれるが、現在では疑問視されている。添書:「出来秋や鳴子/引く手も/ちから瘤 十八番之象引を演して」。署名:「三升併題 (朱印)象に「福」の字」(朱印)家傳/十八番」。