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京都府
国指定文化財(選定保存技術)研炭製造
木炭は、古来、漆器や金属器等の研磨に用いられ、現在も朴炭【ほおずみ】、駿河炭【するがずみ】(または静岡炭)、呂色炭【ろいろずみ】、椿炭【つばきずみ】等の研炭が漆芸や金工の制作に不可欠の研磨用具として使用されている。ホオノキを原料とする朴炭は主に金工に用いられ、ニホンアブラギリを原料とする駿河炭、アセビ(馬酔木)・チシャを原料とする呂色炭、ツバキを原料とする椿炭は主として漆芸に用いられている。
研炭は、ほぼ密閉した窯で原木を燃焼・炭化させ、炭化した材を燃焼中に窯から引き出して消火する白炭焼【はくたんやき】の製法により製造されるものが多く、鋸【のこぎり】等で切断した後、さらに器物の面に合わせて砥石等で成形したものが用いられる。研炭は、成形が比較的容易なため、複雑な曲面の研磨にも適している上、研汁【とぎじる】に混入した貴金属の回収が可能であることなど、耐水ペーパーや人工研磨材等の代替材料に比べて優れた特質を有している。良質の研炭は、漆芸および金工の制作のほか、有形文化財(漆工品など)の保存修理に不可欠のものである。
国指定文化財(重要無形文化財)青磁
青磁は、中国で生まれ発達した、東洋独特の、釉薬を用いる伝統的陶芸技法の代表的なものである。還元焔焼成による、素地と釉薬に含まれる微量の鉄分のはたらきで、青磁色が得られる。中国では、三世紀、漢末三国時代から本格的に焼造され、宋時代に隆盛期を迎えた。その製品はわが国にも数多く請来されて、日本の文化に大きな影響を及ぼした。わが国においては、江戸時代初期に肥前地方で制作が開始され、以後その技法は京都や兵庫県三田【さんだ】等に伝わった。近代以降、今日においても、青磁技法を駆使する多くの陶芸家による作陶活動が行われており、わが国の工芸史上重要な地位を占め、芸術上価値の高い工芸技術である。
国指定文化財(重要文化財)菅野家住宅 二番蔵及び三番蔵富山県高岡市木舟町36番1号
重要伝統的建造物群保存地区高岡市山町筋地区の山町筋沿いに所在する商家。明治33年の大火後、主屋の再建とともに屋敷構えを整えた。主屋は土蔵造とし、両側面に煉瓦造の防火側壁を建てる。黒漆喰塗仕上げの重厚な外観に、大棟や庇周り、鋳物の庇柱等に細やかな装飾を施し、内部の座敷も瀟洒な意匠とする。離れ座敷及び台所は、隣接する主屋と一体に整備され、開口に防火戸を用いる等、防火に配慮する。土蔵群は江戸期に遡る地区において希少な建物で、主屋建築の際に2棟ごとに大屋根をかける改修を施し、主屋に合わせて意匠を整えた。大規模かつ非常に質の高い町家であり、大火後に都市防災計画に従って再興された山町筋地区を代表する町家である。
国指定文化財(重要文化財)菅野家住宅 離れ座敷及び台所富山県高岡市木舟町36番1号
重要伝統的建造物群保存地区高岡市山町筋地区の山町筋沿いに所在する商家。明治33年の大火後、主屋の再建とともに屋敷構えを整えた。主屋は土蔵造とし、両側面に煉瓦造の防火側壁を建てる。黒漆喰塗仕上げの重厚な外観に、大棟や庇周り、鋳物の庇柱等に細やかな装飾を施し、内部の座敷も瀟洒な意匠とする。離れ座敷及び台所は、隣接する主屋と一体に整備され、開口に防火戸を用いる等、防火に配慮する。土蔵群は江戸期に遡る地区において希少な建物で、主屋建築の際に2棟ごとに大屋根をかける改修を施し、主屋に合わせて意匠を整えた。大規模かつ非常に質の高い町家であり、大火後に都市防災計画に従って再興された山町筋地区を代表する町家である。