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奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)

なるしまのえがみしゅうらく(えがみてんしゅどうとそのしゅうへん)

主情報

記載物件名
奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)

解説

詳細解説

江上天主堂とその周辺を含む奈留島の江上集落は、潜伏キリシタンが禁教下の移住という過酷な条件の中で移住先の社会・宗教とも共生しつつ自らの信仰を継続した潜伏キリシタンの集落である。江上地区に移住した潜伏キリシタンは、既存の集落から離れた海に近い谷間に居を構え、僅かな農地及び漁業で生計を営みつつ、自らの信仰を組織的に継続した。キリスト教の解禁後、彼らはカトリックへと復帰し、湧水に恵まれ防風に優れた場所に、湿度及び風通しにも配慮した在来技術を用いて木造の教会堂を建造した。それは、江上地区に固有の迫地形及び在来の建築意匠・工法に基づく風土的特徴とカトリック教会としての西洋的特徴との融合がもたらした教会堂の代表例である。