世界遺産と無形文化遺産
履中天皇陵古墳
りちゅうてんのうりょうこふん
主情報
- 記載物件名
- 履中天皇陵古墳
- 写真提供
- 堺市提供
解説
詳細解説
百舌鳥エリアの南西部に位置する墳丘長が日本第3位の前方後円墳。台地の西縁部に、海岸線と墳丘主軸線を平行させるように前方部を南に向けて造られる。大阪湾からの眺望を大いに意識した場所と墳丘の方向が選ばれている。濠の周囲には、近接して寺山南山古墳、七観音古墳が位置する。
墳丘長は365 m、後円部の高さは27.6 m。百舌鳥エリアでは第2位である。墳丘は3段に築かれ、築造当時の姿をよく保っている。くびれ部の両側には造り出しが設けられる。後円部の頂上と前方部の頂上には円形の土壇が築かれており、土壇内には埋葬施設が存在するものと推測さ
れる。前方部頂上の円形の土壇は斜面に沿って2段に築かれる、ほかに例を見ないものである。
墳丘周囲には幅の広い濠が巡り、斜面側にあたる西側には大規模な盛土による堤が築かれる。さらにその外側には外濠が全周していたことが明らかになっており、埋没保存されている。
墳丘からは円筒埴輪のほか、形象埴輪が採集されている。形象埴輪のうち、矢を収納する靫を模した靫形埴輪は高さ1.4 mもある大型の優品である。築造時期は中期中葉と考えられている。