文化遺産オンライン

世界遺産と無形文化遺産

いたすけ古墳

いたすけこふん

主情報

記載物件名
いたすけ古墳
写真提供
堺市提供

解説

詳細解説

 百舌鳥エリアの中央部に位置する前方後円墳。前方部を西に向けて造られる。後円部の東側には、近接して善右ヱ門山古墳が位置する。
 墳丘長は146 m、後円部の高さは11.4 m。幅が広く、長さの短い前方部の形状が特徴的である。墳丘は3段に築かれ、南側のくびれ部には造り出しが設けられる模様である。埋葬施設には石材を用いていないことが地中レーダー探査の成果で明らかになっているため、粘土槨に木棺の組み合わせを採用している可能性が高い。墳丘の周囲には濠が巡る。墳丘からは円筒埴輪のほか、形象埴輪が採集されている。築造時期は中期中葉と考えられている。
 いたすけ古墳は1955 年頃、住宅造成計画により破壊の危機に直面した。しかし、市民を中心とした保存運動によって計画は中止となり、国史跡に指定されて公有地化が行われた。
 保存運動のさなかに採集された冑型埴輪は、堺市の文化財保護のシンボルマークとして広く用いられている。