世界遺産と無形文化遺産
ニサンザイ古墳
にさんざいこふん
主情報
- 記載物件名
- ニサンザイ古墳
- 写真提供
- 堺市提供
解説
詳細解説
百舌鳥エリアの南東端に造られた墳丘長が日本第7位の前方後円墳。
墳丘長は約300 m、前方部の高さは25.9 m。百舌鳥エリアでは第3位の大きさである。墳丘は3段に築かれ、築造当時の姿をよく保っている。前方部の幅が大きく広がり、後円部より前方部が高くなる墳丘は、前方部が発達した新しい傾向を示すものである。くびれ部の両側には造り出しが設けられる。
墳丘の周囲には幅の広い濠が巡る。後円部東側の濠の中では、墳丘の主軸線に沿って墳丘斜面から堤に及ぶ最大7列の柱穴列が検出された。
一部では柱材が残っており、濠に架けられた木橋の痕跡とされる。柱穴列の幅は最大で約12 mにも及び、古墳築造の最終段階か完成直後に架けられ、墳丘の築造か葬送儀礼に用いられて短期間で撤去されたと推測される。濠のさらに外側には外濠が巡っていたことが明らかになってい
る。外濠は埋没保存されている。
発掘調査の結果、第1段テラスでは隙間なく並べられた円筒埴輪が出土した。造り出しでは上面に須恵器の大甕が据え付けられていた。造り出しで行われた儀礼の一端を示している。濠からは、形象埴輪や笠形の木製の埴輪が出土している。築造時期は中期後葉と考えられている。