世界遺産と無形文化遺産
津堂城山古墳
つどうしろやまこふん
主情報
- 記載物件名
- 津堂城山古墳
- 写真提供
- 藤井寺市教育委員会提供
解説
詳細解説
古市エリアの最も北部に位置する前方後円墳。前方部を南東に向けて造られ、大阪平野からの眺望を意図したものと考えられる。
墳丘長は210 m、後円部の高さは16.9 m。古市エリアでは第6位の大きさである。墳丘は3段に築かれ、くびれ部の両側に造り出しが設けられる。室町時代に城に利用されたため墳丘は改変を受けているが、墳丘の規模、形状を復元することは可能である。
1912 年に後円部頂上で発見された埋葬施設は、竪穴式石槨に我が国最大級の長持形石棺を納めたものである。石槨の天井石は発見時にもち出されたが、現在はガイダンス施設に集められて展示されている。石槨や石棺内からは、銅鏡、鉄製武具・武器、腕輪形石製品、各種の装身具等が出土した。
墳丘の周囲には幅の広い二重の濠と堤が巡るが、濠は埋没保存されている。内濠には、前方部の両側に島状の方形施設が設けられている。前方部東側の島状方形施設は一辺17 mで、3体の写実的な水鳥形埴輪が配置されていた。
墳丘や濠からは円筒埴輪、大型の形象埴輪が出土した。築造時期は中期前葉と考えられている。