世界遺産と無形文化遺産
野中古墳
のなかこふん
主情報
- 記載物件名
- 野中古墳
- 写真提供
- 藤井寺市教育委員会提供
解説
詳細解説
墓山古墳の後円部北側に位置する方墳。墳丘の位置から、墓山古墳と関わりのある古墳と考えられる。
墳丘長は37 m、高さは5m。墳丘は2段に築かれる。墳丘の周囲には濠が巡るが、埋没保存されている。
墳頂部における発掘調査では、少なくとも5列の木箱が墳丘頂上に納められていたことが判明し、そこからは11 領の鉄製甲、8鉢の鉄製冑、3鉢の革製冑のほか、刀・剣・鏃等の大量の鉄製武器や鉄製品の原料となる鉄鋌、石臼、石杵、朝鮮半島製の陶質土器等が出土した。木箱のうち、1基には人体埋葬が行われたと推測されるが、ほかの4基は副葬品の埋納用施設と想定されている。また、墳頂部においても陶質土器や鎌・斧・刀子を象った石製模造品が出土した。
濠における調査では、4万点を超す臼玉や勾玉等の装身具、剣等を象った石製模造品が出土した。大量に出土した石製品の存在は、古墳において行われた多様な祭祀の存在を伝えている。
墳丘や濠からは、円筒埴輪のほか形象埴輪が出土している。築造時期は中期中葉と考えられている。