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須山浅間神社

すやませんげんじんじゃ

主情報

記載物件名
須山浅間神社

解説

詳細解説

富士山の南東麓に位置する須山浅間神社は、須山口登山道の起点となる神社である。 鳥居・参道等を含む境内の全体は、御神木とされたスギを含め一群のスギの巨木に覆われており、神聖な雰囲気に包まれている。 覆屋内に所在する現在の本殿は1823年に再建されたものであるが、社伝によると神社の創設は日本神話の時代にまで遡るとされ、社殿に残る棟札によると遅くとも1524年には存在していたことが推測できる。また、本殿に向かって右側の覆屋内に所在する古宮神社は、その名称及び17世紀のものと推定される梁の形状から、須山浅間神社の旧本殿であると推測されている。 『廻国雑記』の1486年の条に須山口登山道に関する記事が見られること、16世紀前半にこの地域を支配した有力封建領主の武田氏が須山浅間神社に太刀・具足・馬を奉納した際の寄進状が残されていることなどから、須山浅間神社は富士山東南麓における有力な神社であったと考えられ、東南麓からの富士山への登拝に重要な位置を占めていたことが知られる。 1707年に発生した宝永噴火によって被災した須山口登山道が、1780年に本格的な復興を遂げると、富士山よりも東側を中心とする地域から多くの道者が須山浅間神社に立ち寄るようになった。なお、1883年に御殿場口登山道が拓かれたことなどにより、須山浅間神社を訪れる道者は次第に減少し、現在に至っている。