世界遺産と無形文化遺産
教王護国寺
きょうおうごこくじ
主情報
- 記載物件名
- 教王護国寺
解説
平安京造営に際し、796年国家鎮護のために羅城門の東西に建立されたふたつの官寺、東寺、西寺のひとつである。当時の区画規模を現在まで維持し、平安京復原の基準としての現代的意味を持つ。 823年には弘法大師空海に下賜され真言密教の道場となった。伽藍配置は南大門、(中門:1486年焼失)、金堂、講堂、食堂、北大門が南北軸上に並び(回廊1486年焼失)、中門の東方に五重塔が配される配置だが、中門の西方に配された灌頂院が密教寺院の性格を示している。度重なる内乱等による焼失にも、その都度、時の政権の庇護のもとに再建され、一部は失われているものの、現在まで創建当時の伽藍配置及び平面規模を伝えているとともに建築技法も伝統的な手法が用いられている。 本堂である金堂は 796年の創建、1486年に焼失し、現在の堂は1603年に再建されたものである。入母屋造、本瓦葺の豪放雄大な桃山時代の代表的建築である。 826年に創建着手された五重塔は 888年、1055年、1563年、1635年と4回焼失している。1643年に竣工した現在の塔は、創建当時の典型的形式を受け継ぎ、高さ57mと現存する五重塔のうち最高の高さを誇り、京都の景観的シンボルとなっている。 弘法大師の住房として建てられた大師堂は1379年に焼失、翌年再建され、更に1390年に大師像を拝する礼堂と廊を増築し、現在に至っている。