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清水寺

きよみずでら

主情報

記載物件名
清水寺

解説

 780年に私寺として建立された寺であり、805年に桓武天皇の勅願寺となり寺地が認められた。  創建後9回の火災焼失の都度再建されており、1629年の火災の難を逃れた馬駐(15世紀後半)、仁王門(15世紀後半)、鐘楼(1607)以外は1630年代の再建である。  主要伽藍は、西門、三重塔、経堂、開山堂、朝倉堂、本堂、阿弥陀堂が西から東に並び、本堂の西に轟門、北に鎮守社である地主神社の社殿、阿弥陀堂の南北に奥の院、釈迦堂が位置している。この現在見られる景観は15世紀末には成立していた。その後、18世紀後期に本堂の修理が行われ、19世紀中期には伽藍全体で維持修理が行われている。  近代では、1898年に本堂の解体修理が行われたのをはじめ、西門半解体修理(1914及び1951)、釈迦堂解体修理(1975)、地主神社社殿屋根葺替及び塗装修理(1976)、子安塔屋根葺替修理(1978)が行われた。さらに、三重塔半解体修理(1986)、西門屋根葺替修理(1993)の際に、経年の風化等により変色・退色していた内外部の彩色文様を、綿密な調査を踏まえて外観を創建当時の極彩色に復旧することが決定している。  国宝の本堂は1633年に再建されたものであり、山の中腹に建つ大規模なこの建築は、前半部が崖に乗る形になり、縦横の貫によって結ばれた高い束柱が支える“懸造”の構造となっている。仏堂である石敷の内陣と礼堂である板敷の外陣からなる本宇に、寄棟造檜皮葺の大屋根がかかっている。この平面、架構とも平安時代からの形を受け継ぐものである。  国宝本堂の他、三重塔、地主神社の本殿、拝殿など18棟の重要文化財建造物、江戸時代初期の借景式庭園である名勝指定の成就院庭園がある。