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金峯山寺

きんぷせんじ

主情報

記載物件名
金峯山寺

解説

金峯山寺は修験道の中心寺院で、南南東16㎞にある山上ヶ岳の大峰山寺の本堂を「山上蔵王堂」と呼ぶのに対して金峯山寺の本堂は「山下蔵王堂」と呼ばれ、名実ともに修験道の霊場・吉野の中心的伽藍として信仰を集めてきた。敷地は東西約70m南北約120mで、本堂、二王門などの記念工作物が現存するほか、かつて立ち並んでいた二王門、中門、大塔、食堂、回廊などの地下遺構も良好にのこる考古学的な遺跡でもある。金峯山寺本堂は、1592年に再建されたものであるが、文献上では1103年に存在したことが確認できる。修験道の本尊である蔵王権現の巨像三体を安置する高さ34mの木造建築で、修験道の中心寺院にふさわしい威容を誇る。またサクラの開花期である四月には、本尊に桜花を供えて人間の罪を懺悔する伝統的な儀式「花供懺法会」が毎年盛大に行われている。  金峯山寺二王門は、本堂の北に北面して立つ金峯山寺の正門で、文献では1339年を初出とする。現在の建物は、1456年に再建され、山上にありながらその高さは20mに達する堂々とした建物で、細部意匠にもすぐれ、中世和様二重門の代表例のひとつとして貴重である。金峯山寺銅鳥居は、本堂から北西に300m下ったところに立ち、芯木を中心とし鋳銅製の円筒形および箱形部材を組み上げた構造の鳥居として日本最古の例である。修験社が山上ヶ岳の山上蔵王堂に向かうに当たっての第一の門で、修行に先立ち意志を固めるための「発心門」として重視されてきた。文献上は1336年を初出とする。現在の鳥居は、二王門と同じく15世紀中頃に再建されたものである。