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大峰山寺

おおみねさんじ

主情報

記載物件名
大峰山寺

解説

 古代から信仰を集めた標高1719.2mの山上ヶ岳の頂上にある修験道の寺院で、史料上の初見は905年である。役行者の誓願に応じて蔵王権現が出現したと伝えられる霊地に建立され、境内には「山上蔵王堂」とも呼ばれる本堂を中心として、蔵王権現の湧出岩や断崖上の行場、経塚遺跡などがあり、修験道の聖地の中で最も重要な場所とされている。また、行者が通過すべき四つの門のうち、第三第四の「等覚門」「妙覚門」も置かれ、重要な拠点とされた。大峰山寺本堂は、16世紀に焼失し、17世紀後半に再建に着手、1703年に完成したものである。厳しい自然環境を考慮して、柱が太い割に屋根が低く造られ、高山に建てられた他に類例のない遺構であり、数少ない修験道の遺構としてもその価値は高く評価されている。1983ー86年の修理の際に実施された発掘調査によって、宗教儀式の遺構や夥しい数の祭器、仏像、鏡、経巻などが出土し、本堂の建つ位置が既に8世紀において宗教行為の場であったことが確認されている。