世界遺産と無形文化遺産
熊野速玉大社
くまのはやたまたいしゃ
主情報
- 記載物件名
- 熊野速玉大社
解説
1951年再建の社殿が建ち並ぶ現在の熊野速玉大社の境内を中心とし、背後の山と、熊野川を約1㎞遡った所にある祭礼の場、「御船島」・「御旅所」を含む。熊野川の川岸に接した社地は、遅くとも12世紀以来の位置をそのまま踏襲していることが考古学的調査や文献史料、絵画等によって判明している。背後の「権現山」は、古代の神話に登場する「天磐楯」とみなされる断崖の多い山で、その中腹に、祭神が降臨した所とされる「神倉神社」があり、神体として信仰される巨岩(ゴトビキ岩)の周辺からは、3世紀の銅鐸をはじめ、12世紀を中心とする経塚が多数発見されている。また、この神倉神社で熾した神火を松明に移し山を駈け下る「熊野御燈祭」は原始信仰を受け継ぐ祭礼として、和歌山県の無形民俗文化財に指定されている。 熊野速玉神社のナギは神門の南南東にある推定樹齢800年を誇る古木で、1159年の社殿再建の際に有力武士が寄進植樹したと伝えられ、神木として丁重に扱われている。