文化遺産オンライン

世界遺産と無形文化遺産

羅漢寺五百羅漢

らかんじごひゃくらかん

主情報

記載物件名
羅漢寺五百羅漢

解説

 羅漢寺五百羅漢は大森地区内の銀山地区に近い地域に当たり、銀山川の支流沿いに位置する信仰関連遺跡である。岩盤の斜面に3ヵ所の石窟が穿たれ、中央窟に石造三尊仏、左右両窟にそれぞれ250体づつの石造羅漢座像を安置する。  1757年に羅漢寺の初代住職と大森代官所役人が仏教の興隆と領内の安寧を祈願して五百羅漢の造営を開始し、江戸幕府縁の有力武士や商職人などの寄付を得て1766年に完成した。石材は温泉津の西方の福光村で産出する「福光石」と呼ばれる凝灰岩であり、羅漢像やほかの石造物は同村に居住した石工である坪内家一門の作品である。3基の石橋や1基の記念塔を含め石見銀山における石工の技術をよく表し、18世紀中頃の石造作品を代表するものである。  500体の羅漢像は一つとして同じものが無く、その容貌に近親者の面影を必ず見つけ出すことができるといわれ、現在でも多くの人々の心を惹きつけている。