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下平井の鳳凰の舞

しもひらいのほうおうのまい

主情報

  • 東京都
  • 指定年月日:20060315
    保護団体名:鳳凰の舞保存会
    公開日:毎年9月29日に近い土曜・日曜日(指定当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
    ※本件は令和4年11月30日に「風流踊」の一つとしてユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載されている。
  • 重要無形民俗文化財

解説

 下平井の鳳凰の舞は、「奴【やっこ】の舞」と「鳳凰の舞」で構成される民俗芸能である。「鳳凰の舞」は、踊り手の扮装や踊り方について、他に類例を見ない希少な伝承である。また、「奴の舞」は、所作【しょさ】や台詞まわしに歌舞伎の影響がみえ、近世に流行した都市の芸能を巧みに取り入れ地域の芸能として定着させたことを窺わせる。これらは芸能の変遷の過程を示し、かつ、地域的特色を有している。
 本件は、春日神社の祭礼時に演じられ、「鳳凰の舞」と「奴の舞」で成り立つ。
 「鳳凰の舞」は鳳凰4人、ささら4人、軍配1人、小太鼓1人の計10人の踊り手による。うち鳳凰と小太鼓が鳳凰の冠をつける。大太鼓を中心に三重の円を描くように位置した踊り手が、大太鼓を打ちつつ、勇壮活発にその周囲を踊りまわる。
 「奴の舞」は、奴姿の子供たちが、扇と木刀を持って演じる。踊りの場への入退場時に独特の所作で踊り、また、奴の台詞を披露する。台詞には忠臣蔵や菅原伝授手習鑑【すがわらでんじゅてならいかがみ】を題材にしたものなどがある。台詞まわしは歌舞伎の荒事の長台詞を窺わせる。
 このように、本件は、鳳凰の冠や踊り方など希少な伝承であるとともに、台詞に歌舞伎の影響がみえるなど、芸能の変遷過程を示し、地域的特色を有する民俗芸能である。
(※解説は指定当時のものをもとにしています)