文化遺産オンライン

世界遺産と無形文化遺産

茅葺

かやぶき

主情報

  • 選定年月日:19800421
  • 選定保存技術

解説

茅葺は、わが国では草葺の一種として古くから建造物の種類と地域を問わず広範囲に使用され、農・山村の民家では、今なお若干ながらそれをみることができる。しかし、一般には茅場制度の消滅と原野の開発によって良質の茅が得られなくなり、「茅手」と呼ばれた葺師も年とともに減少し、現在では兼業としてわずかにその技術を伝えているにすぎず、それも老齢化して、一般の需要がない今日では、専業として成り立たないことから後継者を育成することも困難となっている。
 茅葺は、古代に行われたと考えられる「元吊り」の工法から次第に改良されて近世には既に現在みられる工法になっていたと思われるが、なお地域的にはいくつかの技法の差がみられ、それが茅葺の地方色として伝統的に残されている。
 現在重要文化財として保存されている茅葺の建造物を維持し、後世に伝えるためには茅葺の技術は欠くことができない重要な技術である。