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下谷地遺跡

しもやちいせき

概要

下谷地遺跡

しもやちいせき

史跡 / 中部 / 新潟県

新潟県

柏崎市吉井

指定年月日:19790604
管理団体名:

史跡名勝天然記念物

 本遺跡は、柏崎市街の東北方約5キロメートル、日本海岸に沿った砂丘の背後にある小平野のほぼ中央に位置する。遺跡は、東方の曽地山地からのびてくる微高地の最末端部にのってはいるが、周辺地域との高低差はごくわずかで、ほぼ平坦な地形の中にあるといえる。
 本遺跡は、住居跡・方形周溝墓・土坑などからなる弥生時代中期の集落跡で、昭和52・53年に実施された新潟県教育委員会の発掘調査によって明らかにされたものである。住居跡は、平地にもうけた炉を中心として、柱を径5~9メートルの円形に配置し、その外側に径10~15メートルの規模で排水用と思われる溝をめぐらせた特異な構造をもつものであり、6基確認されている。柱を方形に配列した掘立柱建物も10基余り認められる。方形周溝墓は4基以上あり、多くは4隅にブリッジを設けており、埋葬主体の墓壙底部には組合せ式の木棺の痕跡を残すものがある。土坑は160以上の多数にのぼり、平面形も円形・楕円形・方形に近いものなどあっていくつかの用途に分かれるものと思われるが、なかには、梯子をたてかけ、貯蔵穴とみなされるものが2列ある。本遺跡では碧玉を主材料とした玉の生産も行われており、管玉40、勾玉4、臼玉1などの完成品の他に石核・剥片などの製作過程を示す石片が多量に出土している。
 本遺跡は、一般に数も少なくまた規模も小さい越後地方の弥生時代遺跡のなかにあって、際立って豊富な内容をもつ遺跡として重要であり、また特異な住居形態や梯子をかけた貯蔵穴など全国的にも類例をみない遺構を含む点でも貴重な遺跡といえる。

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キーワード

集落 / 遺跡 / 住居 /

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