道路と土手と塀(切通之写生)

油彩画 

岸田劉生 (1891-1929)
キシダ、リュウセイ
大正4年/1915
油彩・キャンバス・額・1面
56.0×53.0
右下に署名、年記; 左下に署名
2回草土社展(「切通しの写生」) 東京、玉木美術店 1916

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道路と土手と塀(切通之写生)
Sketch of Road Cut through a Hill
1915年
油彩・麻布 56.0×53.0㎝
重要文化財
この絵は、1915年ll月5日に10日問くらいかけて描きあげたもので、劉生はこれを「クラシツクの感化」すなわち西洋の古典的絵画の影響から脱しはじめ、再び「ぢかに自然の質量そのものにぶつかつてみたい要求が目覚め」て生まれた風景画の一つに挙げている。そして再びじかに自然にぶつかるといっても、もうこの時は前の時代と同じになることはできないといって、次のように述べている。「何故ならこの時はもうクラシツクの強い感化を一度通り、猶またそれに浴しつゝあるからだ。捕はれから段々と離れたが、得るべきものは得てゐた。切通しの写生はこの事を明かに語ると思ふ。その土や草は、どこ迄もしつかりと、ぢかに土そのものの美にふれてゐる。しかしどことなく、古典の感じを内容にも形式にも持つ。自分はこの画は、今日でも可なり好きである。一方その表現法がクラシツクの形式にまだ縛られてゐる処があるのを認めるけれど、あの道のはしの方の土の硬く強い感じと、そこからわり出して生へてゐる秋のくすんだ草の淋しい力とは或る処迄よく表現されてあると思ふ」。
劉生がその独自の写実様式を確立した作品で、彼の風景画の代表作でもある。

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自画像
自画像

岸田劉生

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