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麦二三寸

むぎにさんずん

概要

麦二三寸

むぎにさんずん

絵画 / 油彩画 / 大正 / 日本

岸田劉生  (1891-1929)

きしだりゅうせい

大正/1920(大正9)年

油彩・キャンバス

37.5×45.5

額装

東京・銀座に生まれ、はじめ白馬会洋画研究所にて黒田清輝に油彩画を学ぶ。そののち雑誌『白樺』に接し、ポスト印象派の作品から影響を受けた。短い生涯の中で、西洋古典絵画や日本の浮世絵にも目を向け、独自の画風を確立した。
 劉生は、1916(大正5)年に結核と診断され、翌年、3歳の娘・麗子を連れて、神奈川県藤沢町鵠沼の貸別荘に転居している。劉生の日記によれば、療養生活の中、麗子や静物を室内で描き、晴れた日には写生に出かけ、鵠沼の風景を描いた。本作品の風景は、貸別荘の前から北向きの風景であるが、劉生は気に入ったようで、視点や季節を変えながら、くり返し描いている。あぜ道に立つ赤い和服の少女は麗子である。
 早春の風景を描いた本作では、薄い雲の流れる青空の下、金色に輝く麦畑に青い麦が芽吹き始めている。穏やかな農村風景は、地平線に緩やかな勾配のあぜ道が交わることで、一層広く見える。この広漠とした風景を、和服の赤色が引き締めている。

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キーワード

劉生 / 麗子 / 岸田 / 大正

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