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田儀櫻井家たたら製鉄遺跡

たぎさくらいけたたらせいてついせき

概要

田儀櫻井家たたら製鉄遺跡

たぎさくらいけたたらせいてついせき

史跡 / 江戸 / 中国・四国 / 島根県

島根県

近世

出雲市多伎町

指定年月日:20060126
管理団体名:出雲市(平18・8・8)

史跡名勝天然記念物

田儀櫻井家は島根県中部にある、近世出雲を代表する鉄師である。近世初期から明治23年(1890)まで約250年の間、松江藩の庇護のもとに、海岸から7kmさかのぼった宮本地区の谷間に本拠をおいて隆盛した。近代に入ってまもなく廃絶したことから、それに関連した遺構群はいまも山林のなかに良好な状態で残されている。田儀櫻井家の本宅、その菩提寺である智光院とそれに隣接する歴代当主の墓地、大鍛冶場と製鉄に従事した山内集落、山内の人びとの信仰を集めていた金屋子神社、山内の人びとの墓地など、製鉄に関連した一連の施設が、関連する文書・建造物・石造物とともに一括して保存されている。この周辺には宮本地区の田儀櫻井家に鉄素材を供給した製錬遺跡が数多く分布する。この時期は砂鉄を原料にした、いわゆるたたら製鉄が行われており、宮本地区から8km離れた朝日たたら跡(島根県指定史跡)は製錬炉全体が極めてよく残っている。出土遺物から19世紀前半から中葉頃に操業していたことが確認され、田儀櫻井家がこの地で操業したとの伝承と合致する。これらの遺跡群は我が国の近世のたたら製鉄の一貫した工程を把握することができる重要な遺跡である。

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