曲崎古墳群
まがりざきこふんぐん
概要
S53-12-037[[曲崎古墳群]まがりさきこふんぐん].txt: 牧島は長崎半島と島原半島に囲まれた千々石湾に浮かぶ小島で、その東端には嘴状につき出た礫洲が発達しており、曲崎とよばれている。本古墳群は、南北400メートル、東西50メートル、標高4メートルほどのこの礫洲上に形成された積石塚群で、99基以上が確認されている。このうち墳丘の明瞭なものは約40基を数えるが、規模は小さく、径15メートルが最大で、ほとんどは径7メートル〜8メートル以下のものである。礫洲の先端に比較的規模の大きいものが集中する傾向にある。
古墳の主体部は横穴式石室が多く、玄室では下半部に板状の石をたて、上半部に円礫や割石を持ち送りぎみに積みあげている。第2号墳の玄室で奥行1.92メートル、幅1.0メートルの規模をもつ。羨道部の状況は十分に確かめられていないが、福岡県・佐賀県地方に分布する竪穴系横口式石室といわれるものに類する可能性もある。
本古墳群は、全国に数少ない積石塚として重要であるばかりでなく、礫洲上にあって画然とした墓域が示され、牧島東部にある同時期の集落との対応関係も考えられて古墳時代後期の群集墳のあり方を理解するうえでも貴重なものといえる。