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岐阜県元屋敷陶器窯跡出土品

ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどひん

概要

岐阜県元屋敷陶器窯跡出土品

ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどひん

土器・土製品類 / 安土・桃山 / 中部 / 岐阜県

岐阜県

安土桃山

一括

岐阜県土岐市土岐津町土岐口2121-1

重文指定年月日:20130619
国宝指定年月日:
登録年月日:

土岐市

国宝・重要文化財(美術品)

本件は、元屋敷陶器窯跡から出土した安土桃山時代から江戸時代の出土品のうち、昭和二十四年の美濃陶祖奉賛会と、平成五~十三年(一九九三~二〇〇一年)にかけて、土岐市教育委員会が行った発掘調査の出土品、二千四十一点で構成される。
 当窯跡は、元屋敷東一、二、三号窯跡と、美濃窯最古の連房式登窯(れんぼうしきのぼりがま)である元屋敷窯跡の合計四基の窯跡で構成され、昭和四十二年(一九六七年)、「元屋敷陶器窯跡」として国史跡に指定されている。
 本件は、これらの遺構や物原(ものばら)から出土した、安土桃山時代から江戸時代にかけての陶器の焼成不良品を主体とし、これに匣鉢(さや)や円錐ピン、焼台(やきだい)などの窯道具や窯材が加わる。
元屋敷陶器窯跡での陶器生産は、十六世紀後半の築窯当初は、従来からの天目茶碗・皿などを主体とした組成であった。そして、十六世紀末に茶陶や食器のなかで黄瀬戸(きせと)・瀬戸黒(せとぐろ)といった新しい意匠をもつ陶器生産が始まる。さらに志野が生産されるようになると、十七世紀初頭には茶陶や高級食器の量産がはじまり、連房式登窯(れんぼうしきのぼりがま)の導入後には器形・文様・色彩など、多彩な意匠を見せる織部(おりべ)が本格的かつ多量に生産された。ここで生産された志野・織部は、京・大坂・堺といった畿内の都市遺跡を中心に、全国の城館跡や城下町からも出土していて、美濃窯製品の広域流通とともに、畿内で確立された茶の湯における道具の流行や嗜好の一端もよく示す。
 本件は、安土桃山時代から江戸時代にかけての美濃窯における陶器生産、とりわけ当時流行した茶陶や高級食器の生産のあり方を示す良好な資料であり、その学術的価値は極めて高い。

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