文化遺産オンライン

「日本商工業別明細図之内 富山県高岡市」

にほんしょうこうぎょうべつめいさいずのうち とやまけんたかおかし

概要

「日本商工業別明細図之内 富山県高岡市」

にほんしょうこうぎょうべつめいさいずのうち とやまけんたかおかし

絵図・地図 / 昭和以降 / 富山県

株式会社東京交通社

かぶしきかいしゃとうきょうこうつうしゃ

富山県高岡市

昭和28年/1953年

紙・印刷(カラー)

縦53.8㎝×横78.0㎝

1枚

富山県高岡市古城1-5

資料番号 1-02-19

高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

本資料は、昭和28年(1953)に株式会社東京交通社より発行された、日本商工業別明細図の1枚である。当時の高岡市や伏木地区の様子を確認できる貴重な資料である。
 表紙には、「日本商工業別明細図之内/№1007/富山県高岡市/株式会社東京交通社発行」とある。また、伏木港・瑞龍寺・高岡大仏・高岡銅器・高岡市市章のイラストが描かれている。表紙裏には、古川昇竜堂他7点の広告が掲載されている。右下に「定価金五拾円」とある。
 表面には、高岡駅・高岡古城公園周辺の市内地図と伏木地区の地図がある。地図には高岡市街の町名や各種の店舗・施設などが記されている。上部には「日本商工業別明細図/高岡市/第壱〇〇七号」とある。伏木の地図にも町名や各種の店舗・施設などが記され、右下に「伏木港」とある。地図の周りには市役所などの公共施設や、商店・旅館など宣伝も兼ねた写真や広告が掲載されている。地図欄外(左下)に「日本全国各地商工業別明細地図住所入索引付/昭和二十八年八月三十日印刷/昭和二十八年九月五日発行/熊本市出水町今二八二/発行所 株式会社東京交通社/出版部 東京都中野区新山通三ノ一二/著作兼発行人 熊本市出水町今二八二 根元弘/大阪市阿倍野区阪南町東五ノ二〇/印刷所集画堂印刷株式会社」とある。
 裏面には「高岡市案内記」とあり、高岡市の概要が記されている。裏面の大半は会社や施設などの広告(365点)であり、業種別に連絡先が掲載されている。左下に「業種別見出索引」が49あり、読者が広告を探しやすいようにしている。
 本資料は、破れや汚れがある。

〔表面掲載の広告〕
高岡合金株式会社、株式会社北陸銅器製作所、畑製パン所、丸高ミシンデパート、有限会社河野銅器店、引網菓子舗、高岡銅器株式会社、山栄銅器製作所、守護物産株式会社、タカヤナギ、市川照太郎商店、関谷本店、有限会社小島工業所、株式会社秋元商店、伊藤園、不破福寿堂、林屋、廣野銅器店、中越銅器株式会社、淀川ランドリー、金属工芸株式会社、有限会社山田商店、緑屋茶舗、富田宗治郎鋳造所、般若鉄工駅前販売所、有限会社フジアルミ製作所、有限会社中村製作所、ワダ楽器、高野月平堂、高岡金網株式会社、丸十製パン横田支店、木村家、北川製餡所、金谷亀次郎商店、有限会社釜本商会、中央精機株式会社、柳屋、般若清助商店、林屋クリーニング店、有限会社ヤシマ木材工業所、金次商店、高城製作所、株式会社東亜製作所、藤田忠雄商店、東洋商工金融金庫、高岡石油株式会社、株式会社大阪相互投資金庫高岡出張所、富山県染工株式会社、串田長五郎商店、高岡地方交通株式会社

〔裏面掲載の広告〕
シミズガーデン(清水町)、川口屋植木店(片原町)、原野製作所(曙町)、般若鉄工所(木津町)、新興工業株式会社(内免町)、日産炭素工業株式会社(清水町)、有礒正八幡宮(横田町)、高岡市警察局(湶町)、河内九華堂(末広町)、金森七次商店(大通二丁目)、東病院(新横町)、農協高岡病院(木津町)、済生会高岡病院(白山町)、高岡市民病院(向野町)、丸十製パン本店(片原横町)、小林製靴店(坂下町)、サカヰ産業株式会社(片原横町)、守護辰商店(一番新町)、三村半七商店(一番町)、金森藤平商店(金屋町)、佐野又旅館(駅前)、京田菓子店(片原町)、高陵タクシー、塩田木材販売建設部(栄町)、ワシアルミ株式会社(横田町)、株式会社老子製作所(広田)、高岡市役所(片原横町)、高岡商工会議所(利屋町)、日清紡績高岡工場(横田)、高岡地方運送株式会社(湶町)、丸納木材株式会社(開発町)、吉田製紙工場(木津町)、北陸アルミニユーム株式会社(横田町)、高岡牛乳商工業協同組合(博労町)、テサカ研磨製砥株式会社(東下関町)、高岡研磨砥石株式会社(西下関町)、第一ホテル・第一グリル(大仏横)、よしのや旅館(末広町)、阿波良荘(定塚町)、たちばな旅館(堀上町)、池の端荘(湶町)、高陵ホテル(湶仲町)、旅館福水園(大福院通り)、上杉荘(渡り)、延対寺旅館(末広町)、大喜すし(末広町)、竹林商店(坂下町)
速水製作所(伏木国分)、伏木海陸運送株式会社(湊町)

〔裏面「高岡市案内記」〕
 本市は明治廿年(二十二年の誤り)四月一日市政の施行、人口十一万七千五百五十六人県下第二の都市である。高岡市を東西に縦走する国有鉄道(北陸本線)を主幹とし、その中心高岡駅を基点として支線城端線、氷見線及新湊線(貨物)が発し、又市内及近郊都邑に通ずる交通機関として私設軌道射水線及伏木線の外、自動車バス等の交通網が整備している。伏木港は小矢部川の河口に位置し、臨港鉄道氷見を通じて北陸本線高岡駅に連繋し港域は広く水深一定せるため巨船の出入碇泊に適し、殊に近代的港湾施設の強化拡充と相俟って背後の広大な工業地帯を擁するため水陸の運輸日々に繁く裏日本の良港として活況に呈して居る。産業の興隆は都市の発展向上を促進するばかりでなく健全な国家の建設は産業立国に基本かおかれるものである。本市の平和産業は戦時中極度の圧迫を受け、その施設は概ね軍需工場に切替えられたが、これら工業は終戦と共に壊滅するに至った。
 本市は幸いにも戦災を免れたので再び平和産業に転換復帰し今や商工業の中心歳として裏日本の産業に大きく君臨し大都市としての躍進を期している。今本市産業の分布状況を概観するに旧市は銅器、漆器、捺染、紡織、アルミニユーム鋳物産業を主とし伏木港を中心とした化学製紙工業及水産業があげられる。
 今や高岡市は小商工都市より大産業都市へと推移し道路交通市街のいづれも旧観を失うまでに至った。殊に日本海屈指の伏木港を擁する本市は終戦後商工農と港湾を含む大地域における市政教育文化等の急激な進展と相俟って臨海産業としてのみならず更に近代的文化都市観光都市として市勢日に躍進している。
東京交通社出版部調査

関連作品

チェックした関連作品の検索