築地本願寺本堂
つきじほんがんじほんどう
概要
築地本願寺は,浄土真宗本願寺派の関東における拠点である。現在の本堂は,関東大震災の後昭和9年に再建されたもので,設計は東京帝国大学名誉教授で建築史家の伊東忠太による。
鉄筋コンクリート造であるが,石造風の外観は,インドの古代仏教建築に学んだ細部や要素を巧みに組み合わせている。中央部二階の大本堂は伝統的な真宗本堂の形式を踏襲し,両翼部や一階には議場や説教所,事務室や納骨堂などの諸室を配している。
築地本願寺本堂は,インドの古代仏教建築を主たる素材として外観を構成し,内部は日本の伝統的意匠要素を中心に濃密で均整のとれた意匠を達成している。必要な諸機能をひとつにまとめ,最新式の設備を備えるなど近代の設計技術を集合しており,独自の建築様式を追求した伊東忠太による寺院建築の傑作として,価値が高い。