阿万の風流大踊小踊
あまのふりゅうおおおどりこおどり
概要
雨乞い踊り、百石踊りとも称され、本来は雨乞い祈願の時の踊りであったが、現在は毎年9月15日に近い日曜日、阿万上町に鎮座する亀岡八幡神社の秋季大祭において神社拝殿で踊られている。
大踊は、音頭取【おんどとり】による歌、拍子木、締太鼓の音楽にのせ、踊り手が2列横隊となり踊る。前列の踊りは前踊りといい、扇やチャッキラコと呼ぶ2本の細竹などを手に持ち、子どもが務める。後列の踊りは中踊りといい、大うちわを持って大人が踊る。室町時代末期から江戸時代初期にかけて流行した小歌と類似した歌詞が残され、また、ゆったりとした歌と踊りで、古風を残している。一方、小踊は、8名前後の踊り手が横1列に並んで踊る。元禄期以降に流行した歌の歌詞を取り入れて、大踊と比べ軽快な踊り振りをみせる。
本件は、大踊と小踊の2種類の踊りで構成されており、歌の歌詞や踊りぶり、音楽などの点から、大踊と小踊は発生の時期が異なると考えられる。このような異なる2種類の踊りが伝承され、正面からの観客を意識した隊形で演じられるところに芸能の変遷過程を示し、地域的特色がある。
(※解説は指定当時のものをもとにしています)