室内風景
しつないふうけい
概要
画面下に署名:migi
ペンの軽やかなタッチと薄塗りの絵具が、さわやかな画面を作り出している。水彩画は1930年代、多く手がけており、1937年、38年には水彩の個展を開いている。右手の鳥の絵の衝立は、<朝鮮取材(習作)>(1940年作、新制作派協会第5回展出品、堀美術館蔵)の背景にも見られ、おそらく1940(昭和15)年に当時の朝鮮に旅行した際に手に入れたものであろう。朝鮮京城デパートから展覧会に招きがきっかけで、京城(現在のソウル)の徳寿宮や慶州の石窟庵、満州の大連などを、春の花が咲き乱れる時期に3ヶ月余り訪れたもので、戦争の足音とは無縁に異国の街の美しさを観光客として楽しんだようである(三岸節子「朝鮮紀行」(「新制作派5」1940年9月)、三岸節子「美人」(「週刊朝日」1940年9月)、三岸節子「朝鮮を描く」(美之国16巻10号、1940年10月))。
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一宮市三岸節子記念美術館