グラヴュール紋章文蓋付ガラス大杯(ポカール) ぐらゔゅーるもんしょうもんふたつきがらすたいはい(ぽかーる)

ガラス / 江戸 

イギリスあるいはオランダ製(イギリス製ガラス器にオランダで加飾か)
江戸時代後期/18世紀後期
鉛ガラス
総高37.2 口径12.8 
1点


来歴:1996神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館『神戸市立博物館所蔵 阿蘭陀絵伊万里とびいどろ・ぎやまん展―江戸のオランダ趣味―』(福山市立福山城博物館、1998)
・神戸市立博物館特別展『コレクションの精華』図録 2008
・神戸市立博物館『ギヤマン展 あこがれの輸入ガラスと日本』(神戸新聞社、2014)

オランダ語で「Bokaal」、ドイツ語でポカール(Pokal)と呼ばれる大杯。祭りや祝宴で食卓を飾ったり、健康や豊作を祝して宴席で回し飲みをしたりするのに用いたゴブレットのことである。ドイツで「Gesundheitsglas(健康を祝すグラス)」と呼ばれるのはそのためである。蓋をともない大降りなのを特徴とする。ドイツでは1680年頃から19世紀中期まで製作されていた。本器はステム(脚部)とグリップにエアーを封じ、またエアー・ツイストを配するなど入念な作例である。ボウル部分にグラヴュールで、ヨーロッパの紋章を彫り、花で飾っており、特定の名家の注文と推測されるが未詳である。グラヴュール加工はオランダで、鉛クリスタルの素地はイギリスのものかも知れない。『蘭説弁惑』(寛政11年〈1799〉刊)で「ぼかある」と図示され「二合五勺ほど入」と見える器がこれである。日本へ輸入されていたことがわかる。本器を収納した黒漆塗りの箱には、金泥で「おらんだ硝子(びいどろ)蓋物」の箱書があり、内側は布団張り。江戸時代にもたらされた「渡り」の上級ガラスと推定される。

【びいどろ・ぎやまん・ガラス】

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