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竿秤

さおばかり

概要

竿秤

さおばかり

民俗 / 明治 / 富山県

富山県高岡市

明治32年11月/1899年

木、金属

棹の長さ30.5cm、皿の径7.9cm、錘:高さ3.0cm×底径2.0cm

1

富山県高岡市古城1-5

資料番号 2-07-43

高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

竿秤とは、てこの原理を利用して、重さをはかる道具で、「棒ばかり」ともいう。重量を計る目盛をつけた竿と、竿につけた取っ手の紐を支点とし、先端に計量するもの(作用点)を、他の側に錘の分銅(力点)を吊り上げ、錘を移動させて水平を保つ位置の目盛を読む(注1)。
 棹部分両面には、二種類の目盛が刻まれている。棹先端の金属部には、上下にそれぞれ持ち手となる布紐が付いており、先端に皿と小さな鉤がある。皿から遠い方の紐「上緒(うわお)」を持った時の金属部上面には「三十匁」と陰刻され、「十」と「匁」の間に別の書体の「定」が刻印されている。皿に近い方の紐「下緒(もとお)」を持った時の金属部上面には「一百匁」と陰刻されている。1匁=3.75g(注2)。上緒を支点とする場合、皿を右側にして手前の目盛りを読む。最大50匁(187.5g)まで量ることができる。下緒は逆に皿を左側にして手前にくる目盛を読む。最大500匁(1,875g)まで量ることができる。棹先端部分には、4本の紐で固定された皿が吊るされている。皿の表面には、縦書きで「定 富山 西原」と、その下に横書きで「32/二五五七」と陰刻されている。
 携帯に便利な共箱(竿箱)には、表に「明治卅二年/十一月求之/㊇神初用」と墨書されている。裏にも同文が墨書されている。また、共箱の内側には、皿を収納する場所に㊇と墨書されている。錘には、皿と同じように縦書き「定/富山 西原」、その下に横書きで「32/二五五七」と陰刻されている。
 資料状態は、金属部分や皿部分の錆びや欠け、汚れが目立つ。

〔注〕
 1.『[絵引き]民具の事典』河出書房新社、2008年、p379
  HP「竿秤(さおばかり)/岡崎むかし館」
  HP「さおばかりについて/奈良衡器」
  2.HP『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館

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キーワード

竿秤 / 竿 / さおばかり / 分銅

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