巖樹遊猿図屏風
ガンジュユウエンズビョウヒブ
概要
古来「式部(しきぶ)」印は「龍杏(りゅうきょう)」と読まれ、祥啓あるいは仲安真康と同一人とされたが別人である。その経歴等一切不明であり、他に遺る「富士八景図」に着賛する建仁寺第262世常庵龍崇(じょうあんりゅうすう)の没年(1536)から、およその活躍時期を知るにとどまる。本図に見るやや繁雑なまでの皴法は明らかに祥啓の系統を引く鎌倉派画人のそれを示し、また緊密な画面構成法には狩野派からの影響も看取される。擬人化されてあらわされた猿の表情がほほえましい。
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