旧矢中家住宅 本館
きゅうやなかけじゅうたく ほんかん
概要
筑波山の南麓、つくば市北条に位置する建材研究者で実業家・矢中龍次郎の住宅。昭和17年建築の本館は木造ながら陸屋根とし、矢中発明の防水剤を使用するほか、大壁にも矢中が採掘精錬した顔料を用いる。また、昭和24年完成の別館ともども、各所に開けた換気口や、工夫を凝らした建具で通風に細心の注意を払うなど、日本の気候風土に配慮した実験的な住宅として、学術的な意義を持つ。一方、南部春邦の手による杉戸絵や襖絵、水墨画などを随所に配し、銘木をはじめ吟味した材料を使用するなど、意匠的にも優れている。高低差のある地形を生かした敷地及び敷地を画する石塀や擁壁などとあわせて保存する。