萬翠荘(旧久松家別邸) 本館
ばんすいそう ほんかん
概要
萬翠荘は、旧松山藩主の久松家が大正11年に建設したもので、松山城山の南麓に所在し、中腹に本館、平地に面した敷地南面に管理人舎を正門に隣接して建てる。萬翠荘の設計は、建築家の木子七郎が行い、木彫家の相原雲楽や洋画家の八木彩霞、装飾硝子作家の木内真太郎など、当時各分野で活躍していた芸術家の参加を得て建設された。
本館は、マンサード屋根や連続アーチのバルコニーを持つ外観から、内部の装飾まで、フランス・ルネサンス様式を基調とした意匠が用いられ、各部屋の使用方法も含めて一貫した西洋式で計画されたことで、高い統一性をもつ意匠に結実している。
萬翠荘は、本格的なフランス・ルネサンス様式の意匠をもつ様式建築であり、日本人建築家の素養を示す優れた意匠の建築作品の一つとして、高い価値が認められる。